madoryの『高校数学のブログ授業』です
- 数学を基礎から学び直したい高校生
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- 挫折した高校数学に再挑戦したい社会人
こんな❝あなた❞に向けて発信しています!
さっそく本時の結論です
「命題が偽であれば,❝はみ出し者❞の反例を見つけよ!」
本時の授業から命題を取り扱います
命題とは何なのか…,そして反例とは何なのか…。しっかり学んでいきましょう!
まず,命題と条件の定義について整理します
この2つは混同しやすいので注意しましょう
- 命題…正しい(真)か正しくない(偽)かが決まる文や式
- 条件…文字を含む文や式で,値を代入することで真偽が定まるもの
つまり,真偽がどちらか必ず決まるものは命題,値を代入して真偽が決まるものは条件と言えます
条件は,代入する❝条件❞次第で真偽が決まるんだね!
(1)は真だと思うから,命題にならないのかな~?
レッサーくんにとっては真に感じるけれど,僕にとっては偽に感じるよ!
人によって真偽が変わってしまうものは,命題とは言わないんだ!!
ここからは,命題について詳しく解説をして,その真偽について見ていきます
命題 p ⇒ q
命題には『⇒』を使った書き方があります
- 命題 p⇒q が真であれば,「p を満たすものは必ず(100%)q を満たす」
- 命題 p⇒q の読み方は,『命題 p ならば q』
- 条件 p の集合を P ,条件 q の集合を Q とすると,「命題 p⇒q が真である」ことと「P⊂Q」(P は Q の部分集合)は同じ意味
大事なことは2つ!!
『⇒』は『ならば』と読むこと。100%成り立てば真,100%でなければ偽。
ここだけは押さえよう!
命題が偽である場合の反例
命題 p ⇒ q が真であるとき,「p を満たすものは必ず q を満たす」ことを学習しました
これを逆に考えてみましょう!
命題 p ⇒ q が偽であるとき,「p を満たすが q を満たさないものが存在する」はずです
この「p を満たすが q を満たさないもの」を反例といいます
反例が見つかれば命題は偽であることになるんだね!
命題の真偽の判断 ①基本編
それでは,命題の真偽の判断をしていきましょう
反例が1つしかない場合もあれば,複数ある場合もあるんだね!
命題の真偽の判断 ②応用編
応用問題として,不等式を用いた命題の例を見ていきましょう
命題に不等式があっても,はみ出し者の反例があるかどうかで判断できるんだね!
★補足★ ビジネス用語「至上命題」
ビジネス現場で耳にする「至上命題(しじょうめいだい)」
ニュース番組の中でも熟語として会話に混ざって使われることもあるため,聞いたことがあるのではないでしょうか?
今回学習した❝命題❞が使われていますよね!
数学から発展して用いられるようになったのでしょうか?
〇 正しい使い方…「至上命令」
✖ 間違った使い方…「至上命題」
実は,「至上命題」が間違いで,正しい熟語は「至上命令」なのです
「至上命題」を『重要な課せられた課題』という意味で使われることが多いのですが,正しくは「至上命令」なんですね…
- 体育祭優勝を至上命令とする(by 担任の先生)
- 体育祭を優勝するように至上命令がくだった
このような使い方が正しい表現です
あくまでも,命題は正しいか正しくないかが決まる文章や式を表します
混同しないようにしたいですね!
それでは本時のまとめです
- 命題は正しいか正しくないかが決まる文や式,条件は文字に値を代入することで真偽が定まるもの
- 命題は,「⇒」記号を❝ならば❞と読んで使い,100%成り立てば真,100%でなければ偽
- 偽である命題には,❝はみ出し者❞の反例がある
- 反例は1つしかない場合もあるが,複数ある場合もある
- 不等式を用いた命題でも,図を書いてみて,はみだし者の反例を探すとよい
- ビジネス用語「至上命題」は誤用。正しくは「至上命令」
命題と条件は混同しやすいので,まずはこの2つをきちんと整理して理解しましょう
命題の真偽の判断は重要です
今後学習する「必要条件」や「十分条件」の見極めの際も,正しく真偽の判断ができるかどうかが鍵を握ります
❝はみ出し者❞の反例が見つかるかどうか…この判断基準で考えていきましょう!
今回は以上です。ありがとうございました