【共通テスト】2025年度大学受験に加わる新科目『情報Ⅰ』問題点と疑問点3選を解説!

レッサーくん
レッサーくん

『情報Ⅰ』は全高校生が勉強する必要があるの?

ホッくん
ホッくん

そんなことないよ!

『情報Ⅰ』の問題点と疑問点を見ていこうね

あらたに加わる新科目『情報Ⅰ』

2025年度の大学入試から追加され,とくに国立大学を受験する際に必要となります

学校現場もそして高校生にとっても分からないこと&不安なことが多いでしょう

そこで本時は,新科目『情報Ⅰ』の問題点と疑問点についてまとめて紹介します

  • 新科目『情報Ⅰ』にどんな問題点があるのか知りたい
  • 浪人したら『情報Ⅰ』の勉強が必要になるのか気になる
  • 『情報Ⅰ』は難しいの?

こんなあなたに向けた内容です

現在言われている問題点と気になる疑問点を見れば、あなたが取るべき対応がわかります

さっそく本時の結論です

★本時の結論★

国立大学の今後の動向に注意しつつ,受験科目で必要なら学校の対応を見極めて受験に対応しよう!


問題点・疑問点3選を徹底解説!2025年度受験に加わる新科目『情報Ⅰ』

レッサーくん
レッサーくん

2025年のことなんてまだ想像つかないな

ホッくん
ホッくん

後回しにしておくと手遅れになるよ!

今高校1年生ならとても大事なことだから

2025年度というとまだまだ先のような気がしますよね?

しかし,2022年度(令和4年度)入学の高校1年生にとって,今から考えていかなければならない重要な問題…

それが科目『情報Ⅰ』です!

『情報Ⅰ』の科目は2022年度から新教育課程に変わって新たに誕生しました

それに伴って問題点と気になる疑問点がたくさん指摘されています

本時の授業では,そんなあなたの疑問を解決していきます!

ホッくん
ホッくん

↓ こちらも参考にしてね ↓

「なぜ国立大学入試が6教科8科目に増えるの?」

「どうして追加される科目が『情報Ⅰ』なの?」

こんな疑問を持った方は,過去の授業も参考にしてくださいね♬

それでは,問題点・疑問点3選を一緒に見ていきましょう!

問題① 情報を教える教員の不在(学校の実情)

まず,学校現場からの視点で指摘されていること…

「情報を教える教員が足りない…」

人手不足が起こる原因とその問題点は以下の通りです

教科『情報』は単位数(=授業数)が少ないため,そもそも学校に1名しか情報の教員がいないことが多い

★基本的には15単位(=週15時間の授業)以上でないと情報の正規の教員を各校1名配置できないが,高校単独1校では15単位よりも単位数(=授業数)が少ない ※15単位以上かどうかは都道府県や公立・私立によって異なります

★正規の教員を配置できないということは,非常勤講師が複数校を掛け持ちしたり,他教科を専門とする教員が情報の授業を担当することがある

★他教科を専門とする教員の中には,「情報」免許なしで情報の授業を担当しているケースも多い

★非常勤講師や他教科を専門とする教員が情報を担当すると,学校で講習を開いて受験対策を行うことが難しい

情報の専門教員を配置できるかは地域差が大きく,平等性に欠ける

もう少し分かりやすく表にして整理してみましょう

全部で6段階あります

レベル「情報」の免許授業の経験正規・非常勤・他教科
有り有り正規
有り有り非常勤
有り有り他教科
有り無し他教科
無し有り他教科
無し無し他教科
ホッくん
ホッくん

みんなの学校はどのレベルかな?

言うまでもなく,レベルの高い上側が望ましいです!

国が最重要視していると言っても過言ではない情報の授業ですが,人手不足に悩まされています

情報の授業を正規の教員でなく非常勤講師が担当していれば専門性が確保されますが,他教科を専門とする教員が担当すると専門性に不安が残ります

「情報」の免許を持っていても,免許をかなり前に取得したが授業を担当したことがない…いわゆるペーパー教員も多いです

学校の先生の中には,教育課程が変わって急きょ情報の授業を担当することになった…なんて声も少なくありません!!

高校生にとって平等な学習環境と言えるのか…こんな声も上がっています!

レッサーくん
レッサーくん

うちの高校がレベル0でないといいけど…

問題② 学校による入試対策の違い

『情報Ⅰ』が必要なことは理解しているけれど…

「自分の高校では『情報Ⅰ』の入試対策をしてくれるのだろうか…」

自分の所属する高校の対応が気になりますよね

まず,高校では2022年度から始まった新教育課程の対応に追われています…

★教育課程表の検討(1年~3年までの授業時間を各科目にどう割り振るか)

★新しい教科書への対応(これまでに教えたことのない内容を含む授業への準備)

★2022年度から本格導入されている観点別評価への対応(新しい評価方法の審議)

上記にあげた内容以外にも,新教育課程に変わって対応すべきことはたくさんあります!

時代の変化に教育も対応するため,新教育課程に対応するということはある意味学校の宿命でもありますからね…

ただ,新教育課程に追われている学校現場では,新たに加わる受験科目『情報Ⅰ』の講習に手が回るのか

学校によって差が生じても不思議ではありません!!

レッサーくん
レッサーくん

新しい科目で不安だから

学校で受験対策をしてほしいな

ホッくん
ホッくん

授業でするのか講習でするのか違いがあるよ

学校の対応には大きく4段階あります

レベル3年次に
『情報Ⅰ』の
選択科目を計画
集中講習
(夏季・冬季等)
 有り有り
 有り無し
 無し有り
 無し無し

やはり腰を据えて授業で時間をかけて受験対策をするのが一番いいですね!

次に夏期講習や冬期講習などの集中講習を開くことが考えられます

もちろんどう受験対策をするのか,まだ決まっていない学校も多数あるでしょう(2022年10月現在)

学校での対策が不十分だと感じれば…塾の利用も検討すべきですね!

塾のメリット3選

★高校の受験対策が不十分でも『情報Ⅰ』の受験に対応できる

★受験直前だけでなく早期に受験対策が可能

★『情報Ⅰ』が必要な大学の情報を手に入れやすい

あなたの不安を解消するために,塾で早期対策するのもオススメです!

高校での対策を見極めて,足りないと感じたら塾の利用も検討していきましょう

問題③ 受験科目に採用するか決まっていない大学が多い

国立大学受験で『情報Ⅰ』が必要なことは分かったけれど…

「すべての国立大学受験で『情報Ⅰ』が必要なの?」

これに対する答えは「No」です!

2021年6~8月段階では,国公立大学・私立大学を含む655校への調査結果から,87校が『情報Ⅰ』を何かしらの形で受験に課すと回答が得られました

『情報Ⅰ』の取り扱いについて,例えば以下の大学が方針を示しています

共通テスト&個別試験筑波技術大学・東洋大学 等
共通テストのみ秋田大学・立教大学 等
個別試験のみ東京情報大学・駒澤大学 等
どちらも課さない奈良県立医科大学・仙台大学 等

しかしこの調査結果のあと,2022年1月に国立大学協会は『情報Ⅰ』をどう扱っていくか方針を示したので紹介します

すべての国立大学は共通テストで『情報Ⅰ』を課し、原則6教科8科目とする

国立大学協会(情報Iの方針)

これにより,さらに『情報Ⅰ』が国立大学の受験科目と採用されることが加速していくことが予想されます

各大学は,2023年度中に受験科目に『情報Ⅰ』を課すのかどうかを示すことになっています

すべての国立大学が『情報Ⅰ』を受験で必須ということにはなりませんが,多くの大学が採用することになるでしょう

もしかしたら上で例を示した大学も『情報Ⅰ』を採用することに変更するかもしれません

また国立大学入試だけでなく,公立大学・私立大学でもこの流れは進む可能性があります

今後の動向が気になりますね

レッサーくん
レッサーくん

私立大学受験者も他人事ではないね

疑問① もし浪人して2025年度入試を受けることになったら『情報Ⅰ』が必要?

さて,2025年度入試から導入される『情報Ⅰ』ですが…

2022年10月現在,高校2・3年生のあなたも,一浪(1年浪人)・二浪(2年浪人)すると2025年度入試を受けることになりますよね

「もし浪人して2025年度入試を受験することになったら,『情報Ⅰ』は必要なの?」

これに対する答えは「No」ですが「半分Yes」です…

大学入試センターから次のことが発表されています

2025年度入試(令和7年度受験)のみ浪人生に配慮し,現行の旧課程『社会と情報』及び『情報の科学』の内容を出題範囲とする科目を出題する

★『社会と情報』,『情報の科学』のいずれの科目を選択していても不利益が生じないよう,両科目の共通部分の必答問題に加え,それぞれの選択必修問題を出題する

大学入試センター(2025年度入試について)

2025年度入試では浪人生に不利益が出ないよう配慮することが発表されています

「自分は何としても第1志望の合格を掴みたいから浪人するかも…」

こんなあなたには朗報ですね♬

レッサーくん
レッサーくん

浪人生に配慮してくれてありがたいね♬

ホッくん
ホッくん

注意点もあるから確認しよう

安心できる反面,浪人する場合の注意点について確認しておきましょう!

2025年度入試を受ける浪人生の注意点

★浪人生に配慮された科目が設置されるのは,2025年度入試の一度きり(2026年度以降はない)

★学習済みの単元から出題されるとは言え,情報の科目を追加で学習しなければならない

★『社会と情報』と『情報の科学』からの出題内容の過去問やサンプル問題がなく不明な点が多い

配慮されるとはいえ,2025年度入試の一度のみ…

さらに情報の科目を追加で学習しなければならないことは変わりません

となると,前年の2024年度入試の受験生は何としても浪人を避けるでしょう

2024年度入試の国立大学入試の倍率が上がることは想定しておく必要がありますね!

疑問② 『情報Ⅰ』って難しい?どんな問題が出るの?

国立大学入試に必要なことは分かったけれど…

「『情報Ⅰ』って難しいの?実際どんな問題が出るの?」

これに対する答えは「難しくないけれど,読み取り問題の分量が多い」

科目『情報I』は標準単位数が2単位であるため,1年間週2時間の授業を受ければ問題なく学習を終えることができます

1単位につき 50分 × 35回 の授業,2単位はその倍の 50分 × 70回 の授業が基準となります

レッサーくん
レッサーくん

70回の授業って…結構多くない?

ホッくん
ホッくん

他の受験科目と比較すると1番少ない単位数だよ

50分授業を70回と聞くととても多く感じますが,『情報Ⅰ』の標準単位数2単位は実はかなり少ないんです!

他の受験科目と比較してみましょう

教科名・科目名標準単位数(週何時間か)
情報・情報Ⅰ2単位
英語・英語コミュニケーションⅠ3単位
英語・英語コミュニケーションⅡ4単位
国語・現代の国語&言語文化計4単位(2単位ずつ)
理科・物理/化学/生物各4単位
数学・数学ⅠA5単位(数Ⅰ3単位,数A2単位)
数学・数学ⅡB6単位(数Ⅱ4単位,数B2単位)
※科目名と標準単位数は2025年度以降の情報に統一しています
レッサーくん
レッサーくん

本当だ!2単位って1番少ないんだね♬

標準単位数が少ないということは,それだけ必要な勉強量が少なくて済むため,勉強時間もそこまで多くを必要としません

つまり「対策がしやすい」ということです♬

実際にどんな問題が出るか気になる方は,こちらを参考にしてください

共通テストサンプル問題(情報I)

その特徴についてまとめると以下の通りです

難易度は高くないが,データを分析するために読み取る内容が多く時間が掛かる

プログラミングの出題がされているが擬似コードを使用しているため,どの言語を学習していても問題ない

データの分析は数学でも学習をするが,回帰分析を扱うなど差別化を図っている

知識を問う問題は少なめだが,文章を読んで判断する問題が多い

数学でデータの分析の単元を学習済みであれば,抵抗が少ないかもしれません

数学Iで学習するデータの分析については,こちらの授業を参考にしてください

あわせて読みたい
【データの分析①】データの整理『度数分布表とヒストグラム』

いくつか記事を読めば,なんとなく学習内容のイメージが掴めます!

読み取る分量が多いため,正確に早く読み取るスピードも必要になります

それと同時に,データを分析する思考力も求められます

「覚えるべき知識量は多くないが,ある程度の対策は必要」

こんな温度感だと理解しておきましょう

疑問③ 入試の最新情報はどうしたら手に入る?

各大学は,2023年度中に『情報I』を受験科目に採用するか発表することになっています

大学からの最新情報を注視しておく必要がありますね!

さて,最後にこの疑問にお答えします

「入試の最新情報はどうやって手に入れればいいの?」

答えは「大学入試センターのホームページをチェックしよう!」です

大学入試センター

レッサーくん
レッサーくん

共通テストの試験情報が更新されていくんだね

大学入試センターのHPでは,共通テストについての最新情報が掲載されています

❝令和7年度❞の情報をチェックして,2025年度入試の最新情報を入手しましょう♬

【まとめ】必要以上に不安視しなくてよい!難しくはないが対策は必要と覚えておこう

それでは本時のまとめです

  1. 「情報を教える教員が足りない」地域差もあり受験環境は必ずしも平等ではない
  2. 「学校による受験対策の違い」…高校の対策が不十分であれば塾の利用も検討しよう!
  3. 「受験科目に採用されるか不明」国立大学入試は原則6教科8科目に!2023年度中に結論
  4. 「浪人して2025年度入試を受けると『情報I』が必要?」2025年度のみ配慮されるが,注意点有り
  5. 「難しい?どんな問題が出る?」…2単位科目で難易度は低いが,分量が多く対策は必要
  6. 「入試の最新情報はどうしたら手に入る?」大学入試センターのHPを参考にしよう

本時は共通テストに採用される謎多き科目『情報I』の問題点・疑問点3選について,解説しました

「なんとなく不安」から「どう対策していくべきか」を考えることができたのではないでしょうか?

学校現場も分からない点も多く,まだ対応の定まっていない高校も多いと思います

本時の内容をぜひ多くの受験生や高校教員,教育関係者に共有していただけたら嬉しいです

今回は以上です。ありがとうございました

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA