
「情報Ⅰ」を受験で使うけど時間を掛けたくない…

そんな人に「情報Ⅰ」のかんたん授業を始めるよ
短時間で勉強したい人にオススメだよ♬
2025年度の国公立大学入試から共通テストに「情報Ⅰ」が追加されて,受験科目が6教科8科目に増えます
国公立大学入試と言えば5教科7科目だったのが,「情報Ⅰ」という新しい科目が増えることになったのです!
「情報Ⅰ」についてまず詳しく知りたい方は,こちらの記事を参考にしてくださいね
ただでさえ負担の多い国公立大学の入試科目にさらに1科目加わる…ということで,時間を掛けずに効率よく学習したいという人は多いでしょう
そこで本シリーズでは
- 「情報Ⅰ」の学習を短時間で行いたい
- 空き時間にブログを読んで「情報Ⅰ」の勉強を進めたい
こんなあなたに向けた内容です
あなたの貴重な時間を「情報Ⅰ」の学習以外に割けるように,本シリーズでは以下の工夫をしています
★覚えておきたいキーワードの解説はタップして開封⇒暗記に役立つ
★重要なキーワードは具体例を混ぜる⇒理解に役立つ
ではさっそく本時の結論です
★情報はメディアの4種類の表現形式によって届けられるが,信ぴょう性の高い情報であるかクロスチェックが必要★
★問題解決の基本のプロセスは6ステップ!PDCAサイクルなら4ステップ!!★
【情報Ⅰのかんたん授業】第1回『情報とメディア』

第1回は『情報とメディア』についてです
内容は3単元あります
- 01 情報の特徴
- 02 情報の表現形式
- 03 問題解決
それでは順番に解説していきましょう!
01 情報の特徴

本単元では「そもそも情報とは何か?」について学びます
さらに情報を必要に応じて適切に使うことができるように,情報の種類やその検証方法について覚えましょう

「情報」の意味って説明できる?

なんとなく使ってるけれどうまく説明できないな…
覚えておきたいキーワード
まず覚えておきたいキーワードを紹介します

用語の意味は右下の「+」を押して確認してね♬
何か行動をするときの意思決定の材料となることがら(知識やデータ)
❝情報❞は日常会話でもよく用いますよね!
日常会話で使用する❝情報❞と同じ意味だと考えてかまいません
情報を取りいれるもと
①直接体験して得た情報(自分の目で見るなど)
②他の人から聞いたり他の人が選別したりした情報
一次情報であるか,二次情報であるかの区別はとても重要です
一般に,一次情報の方が情報としての価値が高いと言われています

❝経験に勝るものなし❞だね♬
得られた情報を,他の情報源の情報とつきあわせること
誤った情報や偽の情報を取り除くこと(クロスチェックなどを用いる)
情報の正しさを信用できる度合いのこと
クロスチェックによって情報の検証を行うことで,信ぴょう性の高い情報であるのか調べることができます
特に,インターネットで伝えられる二次情報は信ぴょう性の低い情報が多いので注意が必要ですね

自治体や企業の公式ウェブサイトは信ぴょう性が高いよ

個人ブログはクロスチェックを行う必要がありそうだね

その通り!ぼくたちも気を付けないとね
キーワードの使用例「①一次情報,②二次情報,③クロスチェック」
一次情報,二次情報,クロスチェックの3つのキーワードを用いて,情報の種類とその検証例を紹介します
『年末年始の寒い地方への帰省』を例に想定してみましょう
①実際に帰省して「気温が低くて寒い」という情報を得た。
②テレビの天気予報を見て「気温が低くて寒い」という情報を得た。
③一次情報,二次情報から「気温が低くて寒い」という複数の情報を得た。
一次情報は実際に体験して得た情報なので,情報としての価値は高いです
その一方で,二次情報は情報の正しさについて疑いの目を持つことも重要です
特にインターネットでは,誰でも簡単に情報を発信することができるので,信ぴょう性の高い(信頼できる)情報であるのか注意しましょう
クロスチェックを用いるなどして情報の検証を行い,誤った情報や偽の情報をとり除くことが必要です

複数の情報をつきあわせると信頼度が増すね♫

情報の検証を行うことが大事だよ
02 情報の表現形式

本単元ではさまざまなメディアとその表現形式について学びます
テレビやインターネットの世界ではよくメディアという単語を用いますね
そのメディアの意味を理解し,4種類ある表現方法を整理しましょう
覚えておきたいキーワード
情報を表現する形式。
※もともとメディアは「媒体」や「手段」という意味を持つ

情報は,特定のメディアによって,
はじめて具体的に表すことができるよ
文字,画像,動画,音声。
情報にはその内容をどう扱うかによって,適した表現形式があります
そして,表現形式を変換すると,必ず失われる情報とつけ加わる情報があることに注意が必要です
テレビや新聞,インターネットなどの情報の正しさを見極め,メディアを適切に活用する能力。
このメディアリテラシーは,現代の情報社会では必須の能力といっても過言ではありません!
情報は❝力❞です
正しくその力を扱えるように,これから「情報Ⅰ」の勉強を一緒に進めていきましょう♬

とくに高校生などの若い世代は
メディアリテラシーが大事になるよ
「情報の取捨選択」6タイプのメディアを表現形式ごと整理
メディアの表現形式は文字,画像,動画,音声の4種類でしたね
ここでは,6タイプのメディアを例にとり,どの表現形式を用いているのか表にして整理してみましょう
①インターネット記事 | ||||
②新聞記事 | ||||
③ラジオ | ||||
④テレビ | ||||
⑤電話 | ||||
⑥メール |

表で見ると特徴の違いがわかるね
表現形式を変換すると必ず,失われる情報とつけ加わる情報があるんでしたね

表現形式を変換することは,
違うメディアを選ぶことと同じ意味だよ
例えば,サッカーW杯の試合を「④テレビ」を使って『音声』と『動画』で観戦したとしましょう
試合の結果をいち早く伝えたければ,「⑤電話」を使って『音声』のみで伝えるでしょう
急ぎでないので詳細に伝えたければ,「⑥メール」を使って『文字』と『画像』で伝えるかもしれませんね
この際の失われる情報とつけ加わる情報は以下の通りです
★失われる情報 … 『動画』
★失われる情報 … 『音声』,『動画』
★つけ加わる情報 … 『文字』,『画像』
このように,表現形式の異なるメディアを選ぶことによって,情報の取捨選択をしていることを忘れないようにしましょう

これまで情報を取捨選択してた自覚はなかったな~
03 問題解決

本単元では問題解決のプロセスについて学びます
以下の6ステップとなります
- 問題の明確化(整理と分析)
- 情報の収集
- 情報の整理と分析
- 解決案の立案(検討と評価)
- 解決案の実行(実施)
- 評価(反省)
ここでは,6ステップが具体的に分かるように次のテーマで考えていきます
【テーマ】★弱小高校サッカー部が大会で1勝するまで★
それでは一つ一つ順番に見ていきましょう
問題解決のプロセス「①問題の明確化」
まずは問題を発見することが問題解決のスタートです
サッカー部が抱えている問題点を明確化していきます
- 過去の試合内容を分析する(失点の要因は?)
- 大会に関する課題(使用するグラウンド問題)
- 高校での練習制限(野球部とのグラウンド共有)
相手チームに数多く得点されてしまうことが敗因と考え,失点の要因を探ることにしました
過去の試合内容を分析すると,味方ゴール付近でのパス回しをカットされてシュートに持ち込まれるシーンが多いことに気がつきました
つまり問題を明確化すると,味方ゴール付近でのパス回しが多いことになります
実際に試合に臨む大会会場と,普段の練習との違いについて着目することにしました
大会では人工芝のグラウンドで試合をするけれど,普段の学校の練習では土のグラウンドで練習をしています
人工芝のグラウンドではボールが滑りやすく,試合の序盤になるまで慣れるのに時間がかかっていました
つまり問題を明確化すると,人工芝のグラウンドに慣れていないことになります
普段の高校での練習では,野球部とのグラウンド共有問題に頭を悩ませていました
野球部の練習との兼ね合いから,サッカー部の練習時間は2時間までと決まっていました
練習量不足からパスミスや連携不足,スタミナ切れ等の問題を引き起こしていることに着目しました
つまり問題を明確化すると,練習時間が2時間と短いことになります
問題解決のプロセス「②情報の収集」
次にさまざまな情報を収集します
収集できる情報をたくさん考えてまとめてみましょう
- 強豪校の試合映像の調査(自分たちとの違い)
- 練習方法の調査(強豪校の練習方法を参考に)
- 体力強化の調査(専門科に教わる)
- 大会までのスケジュール調査(残り期間の練習日数)
- 大会会場の調査(次の大会の開催場所)
情報の収集とはつまり「知っていることを増やす」プロセスです
人は知っていることの中からしか物事を判断できません
知っていることをたくさん増やして,判断するレベルを上げるのが目的です
問題解決のプロセス「③情報の整理と分析」
ここでは明確化した問題と集めた情報を整理して,情報を評価・分析していきます
つまり分かりやすくまとめる作業になります
- 試合プランの分析(自分たちと強豪校との比較表)
- 練習方法の分析(失点の要因と強豪校の練習を整理)
- トレーニング方法の分析(練習時間の短さと専門家からの体力強化)
- 試合会場の分析(次の大会実施場所も人工芝)

集めた情報を分析するときは,
表やグラフを使うのがオススメだよ♬
集めた情報を比較したりまとめたりする際は,表やグラフを活用すると分かりやすくなります
表やグラフを用いて視覚的に情報を理解できたら,いよいよ次のステップで解決案を出していきます
問題解決のプロセス「④解決案の立案(検討と評価)」
解決案を実施する前の最後のプロセスになります
プロセス③「情報の整理と分析」の結果をもとにして,解決案を立てていきます
つまり「具体的にどんな対策をしていくか」を話し合います
以下の方法がオススメです
- ブレーンストーミングでアイデアを出しあう
- KJ法でまとめる
それぞれ方法を確認しましょう

ブレーンストーミングとはアイデア出しを行う手法の一つで,複数の人が集まって互いに自由に意見・アイデアを出し合います
日本語では「集団発想法」や省略して「ブレスト」とも呼ばれます
1950年代にアメリカで考案され,日本でも広く知れ渡っています
ルールは以下の4点です
★批判・否定はNG(実現できるかどうかは考えない)
★自由に発言(思いついたことを何でも発言)
★質より量(発言の質よりも量を重視する)
★アイデアをまとめていく(他人の意見をより良くまとめていく)

数多くあるアイデア出しの手法の1つが❝ブレスト❞だよ

ブレーンストーミングでアイデア出しを行ったら,次にそのアイデアをまとめていきます
その代表的なアイデアのまとめ方が『KJ法』と呼ばれる手法です
付箋に1つ1つのアイデアを書き,並べ替えたりグルーピング(グループ化)をしたりすることで,情報を整理していきます
KJ法は1967年に川喜田 二郎氏によって考案され,そのイニシャルから名付けられました

KJ法は日本人が考えたんだね!!
ブレーンストーミングでたくさん出した解決案のアイデアをKJ法でまとめたら,次はいよいよ解決案を実施するプロセスに進みます
問題解決のプロセス「⑤解決案の実行(実施)」
いよいよ解決案を実施していきます
プロセス「④解決案の立案」で決定した練習を実行していくわけですね
この際,最後のプロセスで評価ができるように,実施の記録をつけるようにします

記録をつけておけば後で反省ができるね
ここまでプロセス①~④を順番に行ってきました
これにより,❝ただやみくもに練習する❞のではなく,根拠に基づいた❝質の高い練習❞を行うことができますね♬
問題解決のプロセス「⑥評価(反省)」
最後に実施した解決案の評価を行います
その際,アンケートを取るなどできるだけ多くの意見を集めるとよいです
成功や失敗の理由を分析して改善案を考えることで,次の問題解決に役立てていきます

これで問題解決は完璧だね!

次につなげてこその評価(反省)だよ
プロセス①~⑥を繰り返すことが大事だね♬
さて,ここで改めて今回の問題解決のテーマを確認しましょう
【テーマ】★弱小高校サッカー部が大会で1勝するまで★
「プロセス①~⑥を1回行ったことで,この問題が達成できると思いますか?」
もちろん解決案を実施したことで成果が出て,大会で1勝することができるかもしれません
しかし,成果がまったく出なかった…もしくは成果は出ているけれどまだ1勝は遠い…なんてことも当然考えられます
そこで大事なのは,問題解決のプロセスを繰り返し行うことです!
プロセス⑥を終えたら,またプロセス①に戻って①~⑥を繰り返うことで,問題を解決する確率が高まります

プロセス①~⑥を部分的に繰り返してもOKだよ♬
覚えておきたいキーワード
問題解決のプロセスの手法の一つ。(※上記6ステップの問題解決のプロセスとは異なります)
「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)」の4段階を繰り返すことで,業務などを改善していく手法で,4段階の頭文字から名称が付けられている。
PDCAサイクルは全部で4ステップとなります
これは上記で説明してきた問題解決の6つのプロセスとは異なるので注意が必要です
2つの問題解決の手法を図にして整理してみましょう

Act(改善)が①~⑥のどのプロセスにも対応していませんが,Act(改善)は①~⑥のプロセスを繰り返し行うことを意味します
したがって区別の仕方は違えど,2つの手法は同じような問題解決の手法であると言えますね!
実現できるかどうかなどは考えず,思いついたことを何でも自由に発言しあう方法。
発言に対する批判は禁止。
ブレーンストーミングはアイデアをたくさん出したいときに用いる有名な手法です
❝ブレインストーミング❞と呼ばれることもあります
アイデアを1つずつカードに書いて分類したり,関連づけてまとめたりして,アイデアの整理と分析を行う方法。
KJ法はたくさんのアイデアを整理するときに用いる手法です
したがってブレーンストーミングと相性が良く,ブレーンストーミングの後に行うことが多いです
ある要素を良くすると,別の要素が悪くなるという状態のこと。
似て非なる言葉として❝ウィンウィン(=Win-Win)❞というビジネス用語があります
❝ウィンウィン❞はある要素を良くすると,別の様子も良くなるという状態を指します
また❝トレードオフ❞を言い換えられる言葉として,「代償」「二律背反」「矛盾」「相殺」などが挙げられます
❝ウィンウィン❞を言い換えられる言葉として,「相互利益」「ギブアンドテイク」「持ちつ持たれつ」などが挙げられます

似た言葉を聞くことで理解が深まるね
★補足★人気SNS『6種類』の表現形式
Twitter,Facebook,インスタグラム…現在では数多くのSNSが流行していますね
人気の高い6種類を挙げてみましょう
①Twitter(ツイッター)‥‥140文字以内の文章を投稿(ツイート)する「つぶやき型」のSNS
②Facebook(フェイスブック)‥‥日記投稿型のSNS。「友達申請」でネットワークを広げられる
③Instagram(インスタグラム)‥‥写真投稿型のSNS。見栄えのよい写真を「インスタ映え」と呼ぶ言葉も誕生
④YouTube(ユーチューブ)‥‥動画投稿型のSNS。さまざまなジャンルの動画をいつでも無料で視聴可能
⑤TikTok(ティックトック)‥‥短めの動画を投稿するSNS。ジャンルを選ばず自動再生で最適化される
⑥LINE(ライン)‥‥メールチャットが手軽にでき,無料の音声通話機能もある
この人気の高い6種類をメディアの表現形式ごとまとめました
あなたがよく使用するSNSの表現形式を見てもらえば,4種類ある表現形式について理解が深まることでしょう
①Twitter(ツイッター) | ||||
②Facebook(フェイスブック) | ||||
③Instagram(インスタグラム) | ||||
④YouTube(ユーチューブ) | ||||
⑤TikTok(ティックトック) | ||||
⑥LINE(ライン) |

こうして比較すると特徴の違いが分かって面白いね♬
【まとめ】情報とメディアについて理解し,問題解決の手法を知ろう!

それでは本時のまとめです
- 情報には一次情報と二次情報があり,クロスチェックを用いるなどして情報の検証を行い,信ぴょう性を確かめる必要がある
- メディアの表現形式は文字・画像・動画・音声の4種類あり,表現形式を変換すると必ず失われる情報とつけ加わる情報がある
- よく用いられる問題解決のプロセスは6ステップあり,他にもPDCAサイクルと呼ばれる4ステップの手法もある
- 解決案の立案によく使われる方法として,ブレーンストーミングやKJ法がある
本時は「情報Ⅰ」の授業の第1回として,情報とメディアについての基礎知識,問題解決の手法について学びました
いかがだったでしょうか?
国公立大学入試に加わることが決定している「情報Ⅰ」は,とくにこれからの未来を生きる若い世代に必須であることから重要視されています
受験勉強であると同時に,未来を想像しながら楽しみながら読み進めてもらえると嬉しい限りです
今回は以上です。ありがとうございました