国公立大学の受験が6教科8科目になるって本当?
『情報Ⅰ』が追加されると言われているよ
国立大学入試に必要な大学入学共通テスト(以下:共通テスト)の受験科目が,2025年度入試から6教科8科目になると言われています
現行の5教科7科目から『情報Ⅰ』が追加されるわけです
そんな新しい入試制度について詳しく解説していきます
- なぜ6教科8科目に増えるのか知りたい
- どうして追加される科目が『情報Ⅰ』なのか分からない
- 『情報Ⅰ』がどんな科目なのか気になる
こんなあなたに向けた内容です
本記事を見てもらえれば新しい入試制度への不安が減り,何をすべきかが見えてくるはずです!
さっそく本時の結論です
2022年度入学の高校1年生は『情報Ⅰ』を重視して,国立大学の受験の選択肢の幅を広げよう!
2025年から国立大学入試に追加される!大学入学共通テストの受験科目『情報Ⅰ』
なぜ入試制度が変わるのか?変わるのはいつから?
これまでと同じ入試制度じゃダメなの?
変化する勉強内容に合わせて入試も変化するんだ
そもそもなぜ2025年度(令和7年度)入試から新しい入試制度へと変わるのでしょう?
実は変わるべくして変わる,絶対に変わるタイミングが2025年度入試なのです!
学校の勉強内容は時代に合わせて変化しています
実は2022年度(令和4年度)入学の高校1年生から新教育課程に切り替わりました
教育課程が変わるということは勉強内容が変わるということです
つまり変化する勉強内容に合わせて,出口である大学入試が変わるのも当たり前というわけですね!
2022年入学の高校1年生が受験するのが2025年度入試なんだね
実は入試が変化するのは『情報』に限ったことではありません
他の教科についても大きな変化が見られます
例えば『数学』では,科目『数学活用』が廃止されて『数学C』が復活しました
他にも学習内容が追加されたり,他科目に学習内容が移動したりと高校数学の大革命が起きています!
大きな学習内容の変化の一つが,科目『情報Ⅰ』の追加というわけですね
国立大学入試に必要な6教科8科目の『6教科』と『8科目』って何?
これまでの国立大学受験は5教科7科目が必要だったんだよ
まず,大学受験に必要な科目は文系・理系によって異なります
2024年度までの大学受験では,国立大学を受験する場合は5教科7科目が必要でした
ちなみに公立大学の場合は,5教科7科目や3教科3科目など大学ごと大きく異なります
私立大学の場合は3教科3科目を基本に,2教科2科目で受験できるところも多いです
一覧にしてまとめておきましょう
大学の種類 | 必要な受験科目(2025年度から) | 受験科目の詳細 |
---|---|---|
①国立大学 (文系) | 6教科8科目 (5教科7科目のままの大学も有り) | 国語,地歴公民2科目,数学ⅠA・数学ⅡB,理科1科目,外国語,情報Ⅰ |
②国立大学 (理系) | 6教科8科目 (5教科7科目のままの大学も有り) | 国語,地歴公民1科目,数学ⅠA・数学ⅡB,理科2科目,外国語,情報Ⅰ |
③公立大学 | 6教科8科目,5教科7科目,3教科3科目など大学ごと大きく異なる | 文系学部は①の受験科目に近い 理系学部は②の受験科目に近い (情報Ⅰ) |
④私立大学 (文系) | 3教科3科目や2教科2科目が多い 1教科1科目で受験できる大学も | 外国語,国語,地歴公民または数学ⅠA(ⅡB) |
⑤私立大学 (理系) | 3教科3科目や2教科2科目が多い 1教科1科目で受験できる大学も | 外国語,数学,理科 |
あれ?5教科7科目のままの国立大学もあるの?
情報Ⅰを受験科目に採用するかは大学ごと異なるんだ
国立大学を受験する際には,2025年度以降『情報Ⅰ』が必要となることは間違いありません
しかし,すべての国立大学の受験に『情報Ⅰ』が必要なわけではありません
2022年9月現在では,すでに受験科目として採用することが決定している大学,受験科目に採用しない大学,どちらにするか態度を保留している大学と,判断が分かれています
最新の情報に注意していく必要がありますね!
また公立大学・私立大学についても,今後の動向に注目です
なぜ『情報』が重要視されるのか?
『情報』の勉強ってそんなに大事なの?
現代社会では最も重要な勉強ともいえるね
Society 5.0 と聞いたことはありますか?
人工知能(AI)やブロックチェーンの技術の発展により,第4次産業革命とも言われる時代の波が押し寄せています
デジタル化の波は今後さらに発展して進化していくことは間違いありません
この時代の変化に対応する学問…それが教科『情報』です!
現代社会で最も重要な学問と言っても過言ではありませんね
『情報Ⅰ』ってどんな科目?いったい何を学ぶの?
まず教科名と科目名の正式名称は以下の通りです
- 教科名『情報』
- 科目名『情報Ⅰ』
情報の発展的な科目として『情報Ⅱ』もあるよ
『情報Ⅰ』の学習内容,その中身を紹介します
全部で4単元あります
- 情報社会の問題解決
- コミュニケーションと情報デザイン
- コンピュータとプログラミング
- 情報通信ネットワークとデータの活用
各単元がどのような学習をするのかそれぞれ見ていきましょう
①情報社会の問題解決
学習目標は以下の通りです
〇情報やメディアの特性を踏まえ,情報の科学的な見方・考え方を働かせて,情報と情報技術を活用して問題を発見・解決する学習活動を通して,問題を発見・解決する方法を身に付ける
〇情報技術が人や社会に果たす役割と影響,情報モラルなどについて理解し,情報と情報技術を適切かつ効果的に活用して問題を発見・解決し,望ましい情報社会の構築に寄与する力を身に付ける
〇情報社会における問題の発見・解決に情報と情報技術を適切かつ効果的に活用しようとする態度,情報モラルに配慮して情報社会に主体的に参画しようとする態度を身に付ける
具体的にどのような学習をするのかキーワードを紹介します
情報,メディア,問題解決,法や制度,情報セキュリティ,情報モラル,情報格差,サイバー犯罪,人工知能,ユニバーサルデザイン,ユーザビリティ,アクセシビリティ,情報社会の在り方 など
『情報Ⅰ』の最初の単元である ①情報社会の問題解決 では,情報についての学習の入り口として情報に関する基礎知識を学習することが分かります
まずは情報全般についての最低限の知識を学ぶ単元といえますね!
②コミュニケーションと情報デザイン
学習目標は以下の通りです
〇目的や状況に応じて受け手に分かりやすく情報を伝える活動を通じて,情報の科学的な見方・考え方を働かせることで,メディアの特性やコミュニケーション手段の特徴について科学的に理解できるようにする
〇効果的なコミュニケーションを行うために,情報デザインの考え方や方法を身に付ける
〇コンテンツを表現し,評価し改善する力を身に付ける
〇情報と情報技術を活用して効果的なコミュニケーションを行う態度を身に付ける
具体的にどのような学習をするのかキーワードを紹介します
情報のデジタル化,情報デザイン,発想法,情報伝達,ピクトグラム,インフォグラフィックス,ユーザーインタフェース,情報収集の方法,ペルソナ手法,シナリオ手法,プロトタイプ,評価法,改善点のランク付け など
②コミュニケーションと情報デザイン の学習内容を一言でまとめると『伝え方』になります
情報を用いた『伝え方』について,情報をデザインする方法やその評価方法,情報収集の方法等について学びます
③コンピュータとプログラミング
学習目標は以下の通りです
〇問題解決にコンピュータや外部装置を活用する活動を通して情報の科学的な見方・考え方を働かせて,コンピュータの仕組みとコンピュータでの情報の内部表現,計算に関する限界などについて理解させる方法を身に付ける
〇アルゴリズムを表現しプログラミングによってコンピュータや情報通信ネットワークの機能を使う方法や技能,生活の中で使われているプログラムを見いだして改善しようとすることなどを通じて情報社会に主体的に参画しようとする態度を育成する方法を身に付ける
〇モデル化やシミュレーションの考え方を様々な場面で活用できるようにするために,問題発見や解決に役立て,問題の適切な解決方法を考える力を育成する方法を身に付ける
具体的にどのような学習をするのか,キーワードを紹介します
コンピュータの仕組み,AND・OR・NOT,真理値表,計算誤差,計測・制御,アルゴリズム,フローチャート,変数,配列,乱数,関数,WebAPI,プログラミング,モデル化,確定モデル,確率モデル,自然現象のモデル化 など
③コンピュータとプログラミング では,最近流行りの『プログラミング』について学びます
コンピュータ全般について学び,プログラミング言語の学習も入ります
どのプログラミング言語を学習するのかは学校によって異なるため,入試では仮想のプログラミング言語が出題される見込みです
そのため,プログラミング言語の仕組みについて理解しておく必要があります
④情報通信ネットワークとデータの活用
学習目標は以下の通りです
〇情報通信ネットワークや情報システムにより提供されるサービスを活用する活動を通して情報の科学的な見方・考え方を働かせて,情報通信ネットワークや情報システムの仕組みを理解する
〇データを蓄積,管理,提供する方法,データを収集,整理,分析する方法,情報セキュリティを確保する方法を身に付けるようにし,目的に応じて情報通信ネットワークや情報システムにより提供されるサービスを安全かつ効率的に活用する力やデータを問題の発見・解決に活用する力を身に付ける
〇情報技術を適切かつ効果的に活用しようとする態度,データを多面的に精査しようとする態度,情報セキュリティなどに配慮して情報社会に主体的に参画しようとする態度を身に付ける
具体的にどのような学習をするのか,キーワードを紹介します
情報通信ネットワーク,サーバ,クライアント,無線LAN,プロトコル,経路制御,個人認証,デジタル署名,暗号化,データの蓄積,関係データベース,オープンデータ,量的・質的データ,ビッグデータ,単回帰分析,評価指標 など
④情報通信ネットワークとデータの活用 では,情報通信とデータの活用方法を学習します
ここ何年かの間にニュースでも度々使われるようになった『個人認証』『デジタル署名』『量的・質的データ』『ビッグデータ』など,今後の情報通信社会を生き抜く上での知識を学習していきます
『情報Ⅰ』学習内容のまとめ
それでは科目『情報Ⅰ』の学習内容についてまとめておきましょう
単元名 | 主なキーワード | 主な学習内容 |
---|---|---|
①情報社会の 問題解決 | メディア,法や制度,情報セキュリティ・モラル・格差,サイバー犯罪,人工知能,ユニバーサルデザイン,ユーザビリティ,情報社会の在り方 | 情報に関する基礎知識 |
②コミュニケーション と情報デザイン | 情報のデジタル化,情報デザイン,発想法,情報伝達,ピクトグラム,ユーザーインタフェース,情報収集の方法,ペルソナ手法,評価法 | 情報をデザインする方法 その評価方法 情報収集の方法 |
③コンピュータと プログラミング | コンピュータの仕組み,AND・OR・NOT,計算誤差,計測・制御,アルゴリズム,変数,配列,乱数,関数,プログラミング,モデル化 | コンピュータ全般 プログラミング |
④情報通信 ネットワークと データの活用 | 情報通信ネットワーク,サーバ,クライアント,無線LAN,個人認証,デジタル署名,関係データベース,オープン・量的・質的・ビッグデータ | 情報通信 データの活用方法 |
『情報Ⅰ』の科目は,現代の情報社会に必要な基礎的なIT知識全般を学ぶことが分かります
これからの高校生がうらやましいですね!
【まとめ】科目『情報Ⅰ』は超重要!進路実現のために受験の選択肢を増やそう
それでは本時のまとめです
- 2022年度入学の高校1年生から新教育課程に変わって勉強内容が変わり,卒業する2025年度入試に合わせて受験科目や内容が変わる
- 2025年度入試から国立大学の受験科目として『情報Ⅰ』が加わり,6教科8科目が必要。ただし,5教科7科目に据え置く大学もある
- 時代の変化に対応するために『情報Ⅰ』は最も重要な学問といえる
- 国立大学入試に追加される情報の正式名称は,教科名が『情報』で科目名が『情報Ⅰ』
- 科目『情報Ⅰ』は全部で4単元で構成される
- 『情報Ⅰ』は現代の情報社会に必要な基礎的なIT知識を学ぶ科目である
本時は大学入学共通テストで注目される新科目『情報Ⅰ』に注目し,その背景と学習内容を紹介しました
令和4年度(2022年度)現在高校1年生のあなたは,『情報Ⅰ』の学習意欲が高まったのではないでしょうか?
学校の教育課程によっては高校2年次に学習する…なんて高校もあるでしょう
満足のいく進路実現をするには,多くの選択肢を持っておくことが重要です
『情報Ⅰ』の学習に真剣に向き合って学習することで,受験科目としての可能性を広げてもらえたらうれしいです
今回は以上です。ありがとうございました