ホッくん、そもそも教育課程って何なのー?
教育課程は❝カリキュラム❞のことだよ!
もっと簡単に言うと、どんな授業をしているかってことだよ。
その教育課程が変わるんだから…大変なことなんだ!!
2022年度は、高校教育の世界にとって、大革命の年。
そうです、新教育課程が年次進行(新高校1年生から順番)で始まるのです!
下の表を見てください!!
ついに高校にも変革の年がやってきます!!
学習指導要領に従って、教育課程(カリキュラム)が考えられるため、2022年度の高校1年生から、新しい教育課程での授業が始まるのです!
現場で働く高校の数学教員にとっても、中学生の子供をもつ保護者にとっても、知らないと損をすることがあるので、他人事ではいられません!
高校教員にとっては、『数学C』を受験を意識して教える必要があるのか?または、2022年度以降の教育課程に組み込む必要があるのか?
保護者にとっては、進学予定の〇〇高校が『数学C』をどの程度勉強するのか?塾に通う必要が出てくるのか?
このように、そろぞれの立場で考えることが出てくるのです!
現行との違いは何なのか?授業は何が変わるの?入試はどう変わるの?
新しい学習指導要領はどのように変わるのか、いろんな疑問が湧きますよね!
それでは、順番に見ていきましょう!
教育課程が大きく変わることはわかったよ!
変革の年を迎えるだなんて…なんか怖いな。
レッサーくん、知らないことは怖いけど、知っていれば大丈夫!!
順番に見ていくから安心してね!
もともと高校数学の科目といえば、『数学Ⅰ~Ⅲ』と『数学A~C』。そんな認識の人もいるのではないのでしょうか?
その後、『数学C』の再編があり『数学活用』に名前を変えて現在に至ります。
え?『数学活用』って何?名前は聞いたことあるけれど、どんな勉強するの?こんな人も多いと思います。
なにせ、現役の高校数学教員ですら、教科書を見たことがない人が多数、教えたことが一度もない人が多数なのですから…w
マイナー中のマイナーな科目であった『数学活用』。受験にも使われないから、当然と言えば当然ですね。
そこで、時代の流れを受けて復活になった、懐かしの『数学C』。やはりこちらの名称の方がしっくりきますね!
しかし、名称の変更だけではありません!大改革の概要を見てみましょう。
『数学活用』という科目はなくなりますが、『数学A』『数学B』『数学C』に移行されることがわかりますね!
科目名が変わるんだ~!
ⅠⅡⅢ、ABCだから、覚えやすくなるんだね~。
まず、『数学Ⅰ』の構成に変化はありません。お馴染みのランナップですね!
変更点を見てみましょう!
- 『数学A』から、整数の性質の分数分野(有限小数、循環小数)が移動
- 四分位数と箱ひげ図は、中学校の範囲へ移動
- 仮説検定の考え方、「外れ値」を扱う
一番気になるのは、❝仮説検定❞の考え方でしょうか。これまた、未知の分野ですね!
どんな高校でも必ず勉強するのが『数学Ⅰ』。
全高校生の勉強内容が変わるんだから、大きな変化があるね!
まったくと言っていいほど変化がないのが『数学Ⅱ』です。
唯一変わるのは、課題学習の勉強が追加されるということ。
しかし、課題学習は授業で本格的に取り扱う学校の方がレアなので、実質的には❝まったく❞変化はないでしょう。
『数学Ⅱ』は特に変わらないんだ!
変わらない科目もあるんだね~。
ホッくん、〇単位っていうけれど、単位数って何なの?
単位数とは、一週間の授業数のことだよ。
5単位だったら、一週間に5時間授業があるってことなんだ!
『数学Ⅲ』はこの単位数が変わるんだから、大きな変化だね!
これまで『数学Ⅲ』といえば、理系を選択した生徒にとっての最難関!!標準単位数は最強の5単位でした。これに見合う難易度とボリュームがあったのが『数学Ⅲ』でしたね。
今回のは改訂では、ついにラスボス『数学Ⅲ』にもメスが入ります!!
- 標準単位数が5→3単位に減少
- 「平面上の曲線と複素数平面」が削除
5単位から3単位に、標準単位数が変更されるのです。
「平面上の曲線と複素数平面」がなくなり、『数学C』に移動します。
しかし、世の高校数学教員はきっとこう思っているはず…。
「極限と微分積分がそのままなんだから、せめて4単位必要じゃない?」
そうです。最後の砦である微分積分はそのまま残り、極限もある。実質20%くらいの削減であることを考えると、5単位から3単位でなく、せめて4単位は必要でしょう。
それなのに標準単位数は3単位。現場を悩ませますね~。
『数学A』も、ほとんどの高校生が勉強するよ!
新しい謎の科目が登場するんだ!
普通科や専門科の高校関係なく、勉強するのが『数学Ⅰ』と『数学A』。『数学A』の変更は以下の通りです。
- 「整数の性質」が削除
- 「場合の数と確率」に、期待値と頻度確率が登場!
- 『数学C』から「数学と人間の活動」が登場
一番大きな変化は、「数学と人間の活動」が『数学C』からやってくることです!
数学教員ですらまともに授業をしたことがない内容です。今後多くの高校生が勉強をすることになるのかと思うと、現場の教員は頭を悩まされることでしょう…。
しかし、もともとあった「整数の性質」とからめた内容になりそうなので、どの程度の変化になるかは教科書次第といったところでしょうか。
『数学B』と言えば、「ベクトル」と「数列」。
そんな常識も変わるんだよ!
『数学B』といえば、「ベクトル」と「数列」。そんな当たり前が消えることになりました。
- 「ベクトル」が『数学C』に移動!!
- 「確率分布と統計的な推測」のうち、統計的な推測はそのまま残り、確率分布に変化
- 『数学活用』から「数学と社会生活」が登場
一番大きな変更点、そして衝撃……。
な、な、な、なんと、「ベクトル」様がいなくなってしまうのです。
これまで大変お世話になりました。世の受験生を悩ませてきたことでしょう。
ふーん、『数学B』には大きな変化があるんだ~。
「ベクトル」がなくなるんだね!
完全に解体された『数学活用』に代わり、再び登場することになった『数学C』。ラインナップを見てみましょう!
- 『数学B』から「ベクトル」が登場
- 『数学Ⅲ』から「平面上の曲線と複素数平面」が登場
- 『数学活用』から「数学的な表現の工夫」が登場
やはり、『数学B』からベクトルが移動することが一番の驚きですね!
新しく作られた内容もないので、過去の勉強内容がそのまま移動してくることになるでしょう。
なんだか『数学C』は寄せ集めのチームみたい…。
注目は「ベクトル」だね!
数学教員にとって一番の疑問は、「ベクトルは受験科目になるのか」ということでしょう。
つまり、『数学C』が大学入学共通テストの受験科目として採用されるのかどうかということです!
考えられる選択肢は以下の通りです。
- 『数学B』まででよい
- 『数学B』と『数学C』は選択可能
- 『数学C』まで必要不可欠
この結論はまもなく出そうですが、各高校の教育課程の編成にも多大な影響をおよぼすので、今後の動向から目が離せません!
理系生徒にとっては、『数学Ⅲ』の単位数が減ったので、その代わり『数学C』が…なんてことになりそうな予感がしますけどね。
そっか~。
『数学C』が受験で必要になるかが、大事なポイントなんだね!
レッサーくん、その通り!!
入試がどう変わるのか。しっかり注目していこうね!
今回は以上です!ありがとうございました。