平均50点の数学のテストで60点取ったよ!
これでクラス順位は真ん中より高いから安心♫
待って!!
クラス順位が真ん中より高いとは限らないよ!
えっ…そうなの!?
平均点だけではクラス順位までは読み取れないんだ!
本時はデータの代表値について学習します
みなさんもこれまで,平均点より高いとなんだか安心する…なんて経験ありませんか?
テストの平均点や模試の平均点,体力テストの平均点など,学校生活では❝平均❞を用いるケースが多いです
その一方で最頻値と中央値を用いるケースはほとんどありません
しかし,自分自身の現在地を把握するには平均値だけでは不足しています!
ということで本時は
データの代表値『平均値・最頻値・中央値』について学習しよう!
さっそく本時の結論です
データの代表値『平均値・最頻値・中央値』の3つの求め方とその特徴について知り,分析ツールとして使えるようにしよう!
データの代表値『平均値・最頻値・中央値』
データの代表値3選
データの代表値とは,データの特徴を1つの数値で表したものです
データの特徴を1つの数値で表せると,データを分析する際に便利に感じますよね?
以下の3つを押さえましょう
- 平均値(へいきんち)
- 最頻値(さいひんち)
- 中央値(ちゅうおうち)
これら3つの値を用いると,データの分析が容易にできるようになります
また,言葉の意味がその用語の意味になっているので,比較的簡単に理解できる優れものです
それでは1つ1つ順番に解説していきましょう
平均値
平均値は各データの平均の値です
データを全部足してデータの個数で割ることで計算できます
テストの平均点や7月の平均気温,平均年収など,日常的に最もよく用いられる値です
1つ例を見てみましょう
平均値の特徴についてまとめておきましょう
★データの大きさのちょうど真ん中の値を計算して求める
★平均点や平均年収など,平均〇〇として広く使用される
★同じ量を平等に割り振るのに最適な計算方法
最頻値
最頻値は言葉の通り,最も頻繁に出てくる値です
つまり最も個数の多い値といえますね
別名『モード』ともいいます
靴のサイズを例に見てみましょう
最頻値の特徴についてまとめておきましょう
★最も個数の多い値であるため,人気商品を把握できる
★商品を仕入れるときなど,ビジネスの現場でも活用しやすい
中央値
中央値はデータを小さい順に並べたときに,中央の位置にくる値です
ちょうど,ど真ん中の大きさのデータのことですね
別名『メジアン』ともいいます
データが奇数個と偶数個のそれぞれの場合について,例を見てみましょう
まずデータの個数が奇数個の場合だよ
次にデータの個数が偶数個の場合だよ!
データが偶数個の場合は真ん中2つの平均値を求めるんだね
レッサーくん,(3)と(4)の平均値を計算できる?
全部足してデータの個数で割ると…
(3)と(4)両方とも平均値が50点だ!!
実は,(3)と(4)のデータはどちらも平均値は50点になります
けれど中央値には違いがありますね!
そう…平均値と中央値は必ずしも一致しないのです!
値が違うということは,どの代表値を使うかでデータの分析の仕方が変わってきます
さて,中央値の特徴についてもまとめておきましょう
★ちょうど真ん中の順番に位置する値が分かる
★かけ離れたデータの影響を受けやすい(例:0,0,0,100なら中央値は0)
★平均値と一致しないことが多い(例:0,0,0,100なら平均値は25)
★補足★ データの代表値一覧
実はデータの代表値は『平均値・最頻値・中央値』の3つだけではありません
一覧にして整理してみましょう
- 算術平均(これが普通の平均値)
- 幾何平均(データの値が比率のときの平均値)
- 調和平均(平均速度の計算に便利,逆数の算術平均の逆数)
- 最頻値
- 中央値
平均値は『算術平均・幾何平均・調和平均』の3つに分かれます
一般に広く知られているのが算術平均であるため,平均値というと普通は算術平均を指します
ここでは幾何平均と調和平均の計算方法は省略しますが,平均値は用途によって使い分けることができることだけ覚えておきましょう!
高校数学では,幾何平均と調和平均の計算は必要ありませんので安心してくださいね♫
★補足★ 「日本の社会人の平均勉強時間6分」最頻値と中央値から考えてみよう!
日本の社会人の平均勉強時間は6分…
これは,「平成28年社会生活基本調査結果」(総務省統計局)で明らかになったデータです
世界の社会人と比べてもダントツに低い結果であることも分かっています
さてここで考えたいのは,最頻値と中央値だと何分になるか?ということです
えっ…大人はたった6分しか勉強していないの!?
平均値は6分だけど最頻値と中央値は何分だと思う?
最頻値と中央値がいくつになるかということは統計データには示されておりませんが,個人的な予測をたてます
① 最頻値0分 ‥‥ 最も多いのは何も勉強しない社会人
② 中央値0分 ‥‥ 0分が過半数を超え,勉強している人はもっと長時間勉強している
あなたならどう考えますか?
もしかしたら中央値は0分でなく数分なのかもしれません
いずれにしても,ほとんどの大人は勉強しておらず,ごく一部の勉強している大人が平均値を押し上げているのです!
今の日本では,大人になってから勉強し続ける人材はとっても貴重であるとも言えますね!
【まとめ】データの代表値3つを,使用シーンに応じて使い分けよう!
それでは本時のまとめです
- データの代表値とは,データの特徴を1つの数値で表したもの
- 平均値は,データの値を全部足してデータの個数で割った値
- 最頻値は,最も個数の多い値
- 中央値は,データを小さい順に並べたときの中央の位置にくる値
- 平均値と中央値は必ずしも一致しない
- 平均値は細かく分けると3つあるが,平均値というと普通は算術平均を指す
- 日本の社会人の平均勉強時間は6分…最頻値・中央値は0分かも…
本時はデータの代表値について学習して,「日本の社会人の平均勉強時間は6分」という衝撃的なデータも紹介しました!
私はこのデータを知ったとき,なんだか危機感を覚えて毎日勉強をしようという気持ちを強くしました
みなさんは何か感じるものはありましたか?
平均値と中央値を理解していることで,データから受ける印象も変わってきますよね?!
そういった意味でも勉強して知識を得ることは大事ですね♫
今回は以上です。ありがとうございました