レッサーくんの高校は、
週何時間のカリキュラムなの?
カリキュラム…??!
ホッくん、カリキュラムって何…?
こんにちは、madoryです!
『文理選択シリーズ』第3弾をお届けします。
今回は、「教育課程表(カリキュラム)と文理選択」と題し、実は高校のほとんどの授業は受験対策であること、文理選択は高校選びからスタートしていることを解説していきます。
突然ですが、「カリキュラム」って知っていますか?
カリキュラム (Curriculum) は、一定の教育の目的に合わせて教育内容と学習支援を総合的に計画したものをいう。しばしば教育課程と同義に扱われることもあるが、元々はラテン語の「走る」 (currere) から由来した言葉で「走るコース、走路、ランニングコース」のことをいい、第二次世界大戦後のアメリカから入ってきた概念である。一般に学生、生徒には小学校から大学に至るまでの各学年での時間割として知られるものも、カリキュラムの一部であるがこれは狭義のもので、教育課程とほぼ同じである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/21 05:54 UTC 版)
ほぼ同義語で、「教育課程」を指します。学校の教育活動全般の教育計画のことですね。
そして、「教育課程表」と言うと、一週間の授業の科目と時間数の内訳を指します。
つまり、「教育課程表」を見れば、あなたの高校が❝どんな授業を行っているかが分かる❞ということです!!
なるほど。
つまり、カリキュラムって授業の時間割のことだね!
高校では、2022年度に入学する1年生から、新しい教育課程での授業がスタートします!
新しい教育課程表のサンプルを1つ見ていきましょう。
さて、この教育課程表から分かることは何でしょうか?
細かすぎて嫌にならないでくださいね!
すごいカラフル…!?
ぼくの高校にもあるのか~。
入学する高校ごと、まったく違う授業を行っていると困りますよね?!
うちの高校は、数学の授業しかなくて、英語の勉強ができなかった…なんてことも起こり得るからです。
そこで、学校教育を管理する文部科学省は、最低限の教育を保証するために、以下の方法を高校に義務づけています。
- 必履修科目(勉強しないと卒業できない科目)の設定 ※❝ひつりしゅうかもく❞と読みます
- 標準単位数(授業時間数の目安)の設定
- 減単(授業数の削減)の可否の設定 ※❝げんたん❞と読みます
つまり、
「最低限これは勉強してね!」「目安はこのくらいだよ!」「授業時間を減らせる科目もあるよ!」
という風にしているんですね!
ここから導かれる結論は、最低限の授業数を理解すれば、高校の特色が分かることです。
高校で勉強しなければならない❝最低限の授業❞って、
実は結構少ないんだよ!
そうなの!!?
じゃあ勉強しなくてもいいじゃん!
もちろん、そんなことはないよ!!
だって、立派な日本平動物園大学の学生になりたいでしょ?
それでは、最低限の授業数を見ていきましょう!
下の画像内の、表の上側が減単なし、下側が減単ありの場合です。
- 標準単位数の合計は39単位
- 最大限❝減単❞すると、33単位
週5日制で1日6時間授業すると仮定してみます。
一週間で30時間。3年間あるので、30 × 3=90時間。90 – 33 = 57時間。
この「57時間」に高校の特色が表れるのです!!
最近は、私立高校を中心に、土曜授業や放課後7限授業をする高校も多く、実際には60~70時間にものぼります。
高校の授業の半分以上が学校ごとの裁量で決められる…。
そう考えると、高校の教育課程表の重要性を理解してもらえるのではないでしょうか?
それでは、最低限の授業が分かるように、最初に見た教育課程表をもう一度見てみましょう。
色を塗りつぶしてある箇所が最低限必要な授業になります。
ここから、『数学Ⅰ』と『英語コミュニケーションⅠ』はさらに1単位減単することができます。
「え…、高校の勉強って、ほとんど不要なの?」
こう思っても不思議ではありませんね。もちろん、そんなことはありませんよ^^
さて、もう一度表を確認してみましょう。
塗りつぶしていない科目は、大学受験で必要な科目を勉強する授業になっています。
国公立大学や難関の私立大学…。これらの大学受験で必要な科目の勉強を、各高校では必死になって行うのです!
ということは、この追加の部分に、高校の特色が出ることになります!
教育課程表って大事なんだな~。
ぼくの高校の特長って何だろう…?
教育課程表に興味を持ってくれたね!
チェックリストを紹介するよ♪
さて、最低限の授業数を把握できたところで、+α の高校ごとの特長が分かるように、チェックリストを見ていきましょう!
教育課程表の特長 | メリット | デメリット | 対象の高校 |
---|---|---|---|
①授業数が多い(週33時間~) | ★学力を伸ばし進学実績を出しやすい ★塾に行かせなくても対応してもらいたいという家庭のニーズに対応できる | ☆土曜授業や放課後授業も設定され、塾に通う時間が取りづらい ☆部活動の練習時間が短くなる | 進学校 私立高校 |
②授業数が少ない(週30~32時間) | ★授業の負担を軽減し、高校卒業が容易 ★放課後の時間が多くなり、部活動の練習時間を確保できる | ☆学力の確保が難しい ☆難関大学への進学は、塾などの方法を検討する必要 | 就職校 部活動強豪校 |
③減単をしている(数学Ⅰや英語コミュニケーションⅠ) | ★授業進度が早くなり、受験勉強の演習対策に時間を取れる | ☆授業内容の理解が難しい ☆日々の授業課題に追われやすい | 進学校 |
④選択科目が多い | ★難関大学志望者、私立大学志望者、就職志望者などの、多様な進路に対応できる ★選択者が散らばり、少人数制の授業になりやすい | ☆多くの教員数の確保が必要であり、大型校や私立高校でないと難しい ☆クラス内で進路の方向性が一致せず、共に高め合うクラスの雰囲気作りが難しい | 大型校 私立高校 専門高校 |
上記のチェックリストを参考に、あなたの所属する高校の特長を見てみてください!
あなたがもし中学生であれば、高校入学前に教育課程表を眺めてみると面白いですよ♪
ぼくの高校の特長は、①と③だ!
土曜授業があって授業数が多くて、減単して授業のスピードが速いんだ~。
レッサーくん、
文理選択後にどんな勉強が多くなるのかは、
高校ごと違うからね!
うん、わかった!!
文系だから理系だから…でなくて、どんな授業が多くなっているか確認するね!
今回は、「教育課程表(カリキュラム)と文理選択」と題し、実は高校のほとんどの授業は受験対策であること、文理選択は高校選びからスタートしていることを解説してきました。
いかがだったでしょうか?
「文系」「理系」とひとくくりに言っても、その特長は様々です。
文系の系統の大学に進学するから、文系に所属していれば安心…。とは残念ながらなりません。
あなたが所属する高校の考え方で、どんな科目を勉強するか、どの科目の授業が多いのか、かなり変わってくるからです!
受験する大学の受験科目を勉強するために、「文系」「理系」どちらが良いか…。
そんな視点で考えていきたいですね!
今回は以上です。ありがとうございました。